2016年にリリースされた新型XC90から始まった新世代ボルボ。
XC60、XC40の日本カーオブザイヤー連続受賞の偉業もあり、SUVに注目が集まっていますが、ボルボの真骨頂と言えば、やはりエステート(ステーションワゴン)ですよね。
先行してリリースされたフラッグシップモデルであるV90も素晴らしい仕上がりでしたが、2018年の9月に登場した新型V60は、日本の道路状況にマッチしたサイズ感ということもあり、これまた大注目の一台となっています。
ということで、今回はそんな気になる新型ボルボV60に試乗してきましたので詳細をレポートしていきたいと思います。
20.2.20追記:V60クロスカントリーの動画をアップしました!
ボルボV60のデザイン
中国のジーリー・ホールディングフループの莫大な資本が投入された後のボルボは、フォード支配時代の殻を突き破り、目まぐるしい変貌を遂げました。
特に劇的に変わった点といえばそのデザインです。
フロントグリルは縦のルーバーに変更になり、よりクールで気品に満ちた印象になりました。
また、ボルボのアイデンティティーであるアイアンマークの他に、今回から採用されたトールハンマーヘッドライトが、次世代ボルボの象徴として浮かび上がり、とてもカッコいいですね。
基本的なデザインはV90のテイストを踏襲していますが、後発ということもあり、細かいところのデザインが、より洗練された印象を受けます。
また、全体的にV90に比べてスポーティーなテイストのデザインに仕上がっている感じがしました。
インテリアデザインは、いわゆる「スカンジナビアンデザイン」と呼ばれるシンプルで機能的なつくりになっていますが、新世代ボルボのインテリアは本当にハイセンスです。
ドイツ車のような硬質な感じではなく、全体的にオーガニックな雰囲気に空間がデザインされており、とてもリラックスできます。
自動車ジャーナリストの岡崎五朗さんが、まるでリッツカールトンの一室にいるような雰囲気と評していたのを思い出します。
ボルボといえば安全支援機能
今はすべての車に当たり前のように標準装備されている3点式シートベルト。
それを1959年にボルボが世界で初めて開発し、特許を世界に無償公開した話はあまりに有名です。
その史実を見てわかるとおり、ボルボは、ドライバーと同乗者を事故から守る事を第一の命題として車づくりをしており、現在でも他社に先駆けて最新の安全支援機能を開発し続けています。
例えば、前方に現れた他車、歩行者、サイクリスト、大型動物を昼夜問わず識別し、必要に応じてドライバーに警告。
また、危険が迫ったときは自動ブレーキを作動させ、衝突回避や被害軽減を図る機能を全車標準装備としています。
また、交差点事故の大半は、対向車が目視しづらい右折時に起こっていますが、インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)を他社に先駆けて開発し、事故の軽減を実現しました。
さらに、道路逸脱回避支援機能のランオフロード・ミティゲーションや、道路逸脱事故時保護機能であるランオフロード・プロテクションを全車標準実装するなど、独自の安全支援装備を充実させています。
ちなみに、スウェーデンでは、ボルボの車が交通事故を起こすと、救急や警察の他にボルボのスタッフも現場に急行するそうです。
そして、ドライバーの負傷の状態や、車の損傷の具合などの詳細を調査して、安全な車作りの開発に役立てているのだそうです。
場合によっては事故車両を買い取って、データ収集したりもするようですよ。
こういった安全に対する徹底した取り組みを知ると、ボルボに対する印象はかなり良くなりますよね。
実はわたしの弟も、そういったボルボの安全に対する姿勢に感化され、V60のオーナーになったのでした。
試乗
今回の試乗では、「V60 T5モメンタム」というグレードの車に乗せていただきました。
まず、乗り込む前に全体感を確認して思うのは、サイズがちょうどいいという事です。
全長4,760mm×全幅1,850mm全高1,435mmとなっており、初代V60と比べると、全長はプラス125mmとなっていますが、全幅はマイナス15mm、全高はマイナス45mmとなっており、非常に扱いやすいサイズ感となっています。
今出る新型車は、先代よりも全幅がワイドになって登場することがほとんどですが、新型V60に関しては、日本市場のリクエストに応える形で全幅を抑えたということで、とても嬉しい変更点と言えます。
実際に運転席に乗り込んでの印象も、見切りも良好ですし、取り回しも問題なさそうです。
90シリーズは大きすぎて自信ないな…、という人も、V60は自信を持ってハンドルを握れるのではないでしょうか。
シートの座り心地は、やはり最高ですね。
フラッグシップモデルである90シリーズと同じシートが使われていますから、満足度が高いのは当たり前ですね。
次に、スタートスイッチを右に捻ってエンジン始動。
室内の密閉感が強く、静粛性もしっかりと保たれています。
この辺の雰囲気はしっかりとプレミアムカーの域に達しており、満足でした。
アクセルを踏んで発進すると、滑り出しが非常に滑らかなフィーリングでとても心地よい気分になります。
ステアリングも非常に軽く、女性でも楽に運転できそうなところも嬉しいポイントでしょう。
実際に試しませんでしたが、他のボルボと同じように、ステアリングの重さは3段階で変更できるはずですから、どっしりとしたフィーリングが好きな人はお好みで調整しましょう。
一般道での走行の印象は、非常に走りが洗練されているな、というところでしょうか。
車内が非常に静かで、ギアのシフトアップもとても滑らか。アクセルレスポンスも良好で、何と言っても足回りがとてもしなやかなのです。
全体的に優雅な印象で、まさにプレミアムカーにふさわしい走りだなと感じました。
次に、高速道路での走りはどうでしょうか。
合流でアクセルを強めに踏み込んでみると、その加速に思わず声が出ます。
今回の試乗車はT5なので、エンジンスペックは、2リッター直列4気筒ターボチャージャーで、最高出力254馬力。
最大トルク350Nmとなっていますが、スペック以上の性能を感じました。
2リッターの4気筒エンジンとは思えないパワフルな加速で、背中がシートに押し付けられます。
また、速度が上がってくると、ステアリングにどっしりとした安定感が出てきます。
一般道では気付かなかったのですが、ステアリングを切った際の反応も、ドライバーとの一体感がありとても良いですね。
新世代ボルボの車は、ほぼ全て乗りましたが、感覚としては一番アジリティー(俊敏性)が高い印象でした。
一般道と高速道路で、まったく違う顔を見せてくれたボルボ新型V60。
この魅力的な車は売れないわけがありませんね!
新型のV60には、ディーゼルモデルの設定がないところは個人的に残念ですが、それを補って余りある魅力がV60には備わっていました。
サイズ感も日本市場にマッチしていますし、もう買わない理由が見つかりませんね。
「V60」をお得に買うために
【V60】価格表 ※2020年3月時点 | 新車価格 | 中古価格 |
---|---|---|
T5 Momentum | 514万円 | 399~469万円 |
T5 Inscription | 614万円 | 438~559万円 |
T6 Twin Engine AWD Momentum | 674万円 | – |
T6 Twin Engine AWD Inscription | 779万円 | 659~688万円 |
T8 Twin Engine AWD Inscription | 849万円 | – |
最高のデザインに、最高の走行性能。
また、ボルボ自慢の安全装備も充実しているV60ですから、わたし的には新型V60は、ずばり買いだと思います。
気になっている人は是非一度ディーラーで試乗してみてください。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それは、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べてからディーラーに行くことです。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶんV60を買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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