ボルボのコンパクトSUVであるXC40が、「2018-2019日本カーオブザイヤー」を受賞しました。
前年もボルボXC60が受賞しているため、ボルボが2年連続の受賞となり、輸入車としては初の快挙を成し遂げました。
ディーラーの営業さんの話では、XC40は契約から納車まで実に1年待ちとのことで、今なお人気は衰えていないようです。
それにしてもXC60の8か月待ちもしかり、今のボルボは本当に勢いがありますね。
ディーラーに試乗に行くと平日でも何組もお客さんがいて、まさに活況を呈しています。
そんな最高にホットなコンパクトSUVであるボルボXC40への買い替えを検討しているという人はかなり多いと思いますが、実際の走りはどうなのでしょうか。
今回はボルボXC40へ試乗させていただきましたので、詳細をレポートしていきたいと思います。
2020.2.21 追記: XC40の動画をアップしました!
ボルボXC40とは
XC40は、ボルボが展開しているSUVの中で、最もコンパクトなサイズのSUVになります。
新世代ボルボの快進撃のみなもとになった最新プラットフォームであるSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)ではなく、新たにCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)のプラットフォームを採用。
単にXC90やXC60の縮尺版ではなく、まったく新しい車体として生み出されました。
SPAとCMAで目に見える変更点といえばサスペンション。
SPAはフロントのサスがダブルウィッシュボーンなのに対し、CMAはマクファーソン・ストラットになっており、また、CMAにはエアサスの設定がないところも特徴です。
ただ、試乗した感覚としては、CMAの足回りに特段ネガを感じることはありませんでした。
XC40のサイズは全長4,425mm・全幅1,875mm・全高1660mmとなっており、同じサイズ感の競合は、BMWのX1や、VWのティグアンとなっています。
日本車ではエクリプスクロスあたりが近いサイズとなっています。
XC40は、日本カーオブザイヤー以外にも数々のアワードを受賞しています。
2018年欧州カーオブザイヤー受賞。
権威ある同賞の受賞はボルボ初の快挙となっています。
ユーロNCAP(ユーロエヌキャップ)において5つ星評価を獲得。
同賞はヨーロッパで実施されている安全テストですが、XC40は最高の5つ星評価を獲得。
なおかつその点数も最高得点をたたきだしました。
また、乗員保護の得点も最高得点を獲得し、XC40は路上で最も安全な車として認められました。
2018年度グッドデザイン賞を受賞。
新世代ボルボといえばカッコいいデザインが特徴ですよね。
ということでXC40は、「快適な走り」「安全性能」「優れたデザイン性」と3拍子揃った最高の車と言え、日本カーオブザイヤーも取るべくして取った賞だと言えるのではないでしょうか。
ボルボXC40のデザイン
XCシリーズの中にあって、XC90やXC60とプラットフォームを分かつXC40。
それはデザイン面でも同じベクトルを共有しており、単にXC90やXC60のクローンモデルにならないようにまったく違うキャラクターにこだわって生み出されました。
XC90やXC60との違いをわかりやすく言うと、XC40はカジュアルでどこかパンキッシュです。
具体的なデザインモチーフはイングリッシュブルドッグとのことですが、そう言われると、デザイナーの意図をよく理解できるような気がしてきます。
例えばXC40のキャラクターが、XC90やXC60のエレガントな流れをそのまま受け継いで世に出ていたら、XC40はここまでヒットしたでしょうか。
ボルボは今勢いがありますから、一定の評価は得られたかもしれません。
ただ、その更に次のモデルにタスキを渡すような仕事ができるかと言えば、そうは思いません。
XC90からXC60の大ヒットの流れを、あえて大きく逸らすことで、メーカーの「我々は現状に甘んじない。常に進化しメインストリームを自ら更新していくのだ」という強いメッセージを感じる事ができるのです。
こういう流れが一旦形成されると、そのメーカーの新しいモデルがリリースされる度に聴衆の耳目を集める事ができ、長くトレンドをリードする事ができるのではないでしょうか。
インテリアのデザインも、XC90やXC60と比べるとかなり意識して変化が加えられています。
基本的なデザイン言語は踏襲されていますが、カジュアルで、さりげなく尖らせたような印象に仕上がっています。
意図としては、若い人をターゲットにしているように見受けられますが、印象としては世代を問わずマッチする感じで懐の深いデザインといえるのではないでしょうか。
また、矛盾するようにも聞こえるでしょうが、デザインをカジュアルに振ったことで逆に質感が向上したようにも感じ、スカンジナビアンデザインの奥の深さを感じたのでした。
【ボルボXC40】試乗
エンジンを始動すると音や振動はきっちりと抑えられており、XC40が高級車であることを再認識できます。
室内空間は、インテリアデザインがXC90やXC60に比べてより洗練度が増した印象ですが、それでいてカジュアルな雰囲気も共存しているところに、スカンジナビアンデザインの真骨頂を感じます。
しょうじき、このデザインだけでも買う価値のある1台だと思いますね。
XC90とXC60のシフトレバーは従来のストレート式のものを採用していましたが、XC40のシフトレバーは電気式になっています。
個人的な意見としては、電気式のほうが高級感があって好きなので、好感が持てます。
走り出しの感じはスーッと滑るような感覚で、フラッグシップモデルのXC90にも引けを取らないような質感です。
ボルボの低速時の上質感はどのモデルでも共通でとても良いですね。
ステアリングのフィーリングは一言でいえばマイルド。
ドイツ車のようなダイレクト感はありませんが、ルーズな感じもありませんので、ちょうど良い感じなのではないでしょうか。
ステアリングの軽さは3段階から選べるので好みに合わせて調整してみましょう。
個人的には、重めのステアリングの方がどっしりとして高級感を感じられるので好きですが、軽めの設定にすると操舵の感覚が非常に軽快になりますので女性におすすめです。
乗り心地は非常にしっとりして、気持ちいいですね。
プラットフォームがCMAになり、フロントサスペンションがダブルウィッシュボーンからマクファーソン・ストラットに変更になり、エアサス仕様もなくなっているはずですが、ネガは一切感じません。
逆に「XC40いいなー」と試乗中に何度も独り言をつぶやいてしまいました。
しなやかでいてフラット感もしっかりした足回りに、ビジー過ぎない丁度良いステアリングも相まって、非常にゆったりと気持ちよく乗れる車だなと感じました。
高速の合流でアクセルを踏み込んでみます。
ギアの繋がりは非常に気持ちよく継ぎ目なくシフトアップしていくのですが、アクセルのレスポンスがじゃっかんらしくない感じでした。
新世代ボルボの走りは、ともすれば過敏すぎるともいえなくもないアクセルレスポンスと気持ちの良い加速が特徴だと思っていますが、XC90やXC60に慣れた感覚からするとちょっと物足りなく感じたのです。
XC40のT4エンジンは、XC90やXC60とほぼ同じ作りの直列4気筒直噴ターボエンジンなのですが、最高出力190馬力・最大トルク300Nmと、T5エンジンに比べると、最高出力で62馬力・最大トルクで50Nmも抑えられているのです。
この辺はビジネスという名の大人の事情なのでしょうが、XC40も決して安くない車なのですから、T5エンジンを標準で採用してほしかったですね。
ということで、ボルボらしい鋭い加速を味わいたいなら、XC40の最上位グレードのT5 AWD R-DESIGNを選択すると良いでしょう。
次に後席に座ってみます。
まず感じたのは、サイズ感のわりに広いなという事でした。膝まわりのスペースもちゃんと確保されており、ファミリーユースにもマッチするなという感想。
と思ったのですが…
シートが結構絶壁で、リクライニング機能もついていないとのことでしたので、長時間後席に乗っているはけっこう疲れるかもしれません。
また、後席のスペースが広く感じられるように、座面が前後方向に短くなっているとのことで、大人が快適に乗れるようには作られていないようです。
ただ、この辺の事情は営業さんに説明されて初めて気づいたというレベルですから、許容範囲なのかは実際にディーラーで確認してみてください。
知ってる?ブリッジスマボについて
現在XC40は契約から納車まで約1年待ち。
XC60は8か月待ちの状況です。
そこで登場したシステムが「ブリッジスマボ」です。
ブリッジスマボとは、対象車(2019年3月時点はXC40とXC60が対象)の納車までの期間、他の新車のボルボに特別価格で乗れるというもの。
支払金額は毎月乗りたいボルボ車の車両本体価格の1.0%(税込)で、毎月均等です。(最初に諸費用は別途かかります)
例えば、V40 T3 Momentumの場合は、月々のお支払は38,400円と非常にリーズナブルです。
ブリッジスマボのメリット
- 短期間で新車2台を楽しめる
- 対象車が来たら乗換清算金なしでスムーズに乗り換えが可能
- 毎月の支払は定額で均等
上記の3点があげられ、納車までの期間を楽しんで待つ事ができてしまいます。
このシステムがあれば、納車待ちの期間は考えずにXC40が購入できそうですね。
XC40試乗 まとめ
XC40はボルボのSUVラインナップでは一番コンパクトなモデルですが、その走りは非常に完成度が高く、まさにプレミアムコンパクトSUVの名にふさわしい1台でした。
また、内外装のデザインも非常に秀逸で、デザインが購入の決め手になる人も多いのではないでしょうか。
おとな4人で乗ることが多い場合は後席の人が窮屈になる可能性もありますが、大人2人と小学校高学年くらいの子供が乗る分には問題なさそうです。
いずれにしても非常にいい車ですから1度ディーラーで試乗してみることをおすすめします。
XC40をお得に買うために
【XC40】価格表(2019年3月時点) | 新車価格 | 中古価格 |
---|---|---|
T4 | 389万円 | – |
T4 Momentum | 439万円 | – |
T4 AWD Momentum | 459万円 | – |
T4 AWD R-DESIGN | 489万円 | – |
T4 AWD Inscription | 499万円 | – |
T5 AWD R-DESIGN | 539万円 | 498.0万円 |
T5 AWD Inscription | 549万円 | – |
ボルボXC40の試乗レポートをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
家の近くのボルボ・カーズを頭に思い浮かべている人もいると思います。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶんXC40を買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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