車の買い替えを検討するとき、新車か中古車かで迷う人は多いのではないでしょうか。
それぞれにメリットとデメリットがあり、車を買い替える際の永遠のテーマと言っても過言ではありません。
予算が潤沢にあれば新車で買いたいところですが、中古車であれば、同じグレードの同じオプションを備えた車でも新車に比べて100万円単位で安く購入できるところが何よりの魅力となっています。
では、中古車を選ぶ際にはどこに注意すればよいのでしょうか。
よくわからないから営業さんに勧められるままに車を買ってしまう…ということがないように。
今回は中古車を選ぶ際に押さえおきたいポイントをご紹介していきたいと思います。
年式と走行距離について考える
中古車を探すときまず初めにチェックするポイントは、車の年式と走行距離です。
みなさんなるべく年式が新しく、走行距離が浅い車を探しますよね。
ですが、年式が新しく走行距離が浅い中古車は価格も高額な事が多く、場合によっては「これだったら新車で買ったほうがいいな」というような車が多くなります。
それだとあまり中古車を選ぶ旨味がありませんよね。
次の段階として、「年式は多少古くてもいいから走行距離が浅い車」を探す人が多くなります。
年式が古くても、距離をあまり走っていなければ、状態は良いだろうと思ってしまうのです。
ただ、この考えは少し注意が必要です。
今の車は技術が発展するスピードが著しく早く、ちょっと年式が古いだけで装備がまったく違ってくる場合があるからなのです。
具体例をあげると、BMWのX3の1世代前のモデルF25の後期型。
2015年のモデルを境にメーターがデジタル仕様になり、クルーズコントロールは、いわゆるストップ&ゴーができるものに変更になっています。
この装備があるのとないのとでは、車の価値がまったく変わってきてしまいますよね。
また、フルモデルチェンジをした車は、その前後で走行性能が全く違ったものになっている場合が多いです。
ボルボのXC60のD4(ディーゼル)に試乗した時、特に違いを感じました。
2017年に新世代アーキテクチャーを採用してフルモデルチェンジしたXC60と、1つ前の世代のXC60のD4を乗り比べたところ、ディーゼル特有の音と振動の伝わり方が明らかに違いました。
そういった点を踏まえて旧型を購入するのであればまったく問題ありませんが、少なくとも両車とも試乗して決めたほうが良いでしょう。
では、その逆の「年式は新しいけど、走行距離は結構走っている車」はどうでしょうか。
みなさん、中古車を探すとき、走行距離はどの程度までの車を考えていますか?
中古車の相場を見てみると、2.9万kmまでの車はわりと高値で取引されており、3万kmを超えてくると値段が大きく下がり始める傾向にあるようです。
では、3万kmを超えてくると、車の性能は大幅に下がるのでしょうか。
答えは「ノー」です。
逆に、3万kmを超えるあたりからサスペンションが馴染んできて乗り心地が良くなってくる車の話も良く耳にするくらいです。
昔は「車の寿命は10年」なんていう話がまことしやかに言われていましたが、最近の車は非常に性能が良く、走行距離が20万kmを超えている車も珍しくありません。
重要なのは、その車がどのように乗られていたかなのです。
大切に乗られていた車であれば、一桁台の走行距離はまったく問題にならないと言えます。
実際に、わたしが狙っている車種の中古が「走行距離4.5万km」でだいぶ安い価格設定で出回っていたため、先日現物を見にいってきました。
なんと同じグレードの平均相場よりも70~80万円ほど安い価格設定でなおかつ内外装の状態も非常に綺麗でした。
ネット上での評価では、「状態が中の下くらい」という評価だったので、そこそこくたびれている車をイメージしていましたが、実物はかなり状態が良く驚きました。
営業さんの話では、前オーナーが仕事の関係で関東から九州まで行くことがあった為、走行距離が多くなったそう。
そして、基本的にとても大切に乗っていたため、見た目も中身も非常にも良い状態を保っているとの事でした。
走行距離を見ただけでは、車の状態はわからないんだなと改めて気づかされましたね。
海外では車のレストア文化(状態の悪い車を復元して使う文化)が根付いており、走行距離が数十万kmの車をしっかりレストアして、けっこうな高値で販売していたりします。
わたしが大好きな番組で、CS放送のディスカバリーチャンネルでやっている、「名車再生!クラシックカー・ディーラーズ」という番組があります。
CS放送を見られる環境にある人は是非一度見てみてください。数十万km越えの車が高値で売れるのは、日本では考えられないのでとても驚きますよ。
ちなみに、これを逆手にとれば、憧れの輸入車に乗る事だってできてしまいます。
走行距離が10万km近い車は、通常であれば手の届かないような高級車でも実際に買える価格で出回っています。
コストパフォーマンスの面で言えば、走行距離が長い車は実は最強なのです。
すぐに修理が必要になるのでは?という不安
走行距離が長い車で心配になることといえば、ずばり故障ですよね。
ここが引っ掛かって距離浅の車を選ぶ人は多いと思います。
ただし。
繰り返しになりますが、中古車を選ぶ際に重要なのは、
「どのように乗ってきたのか」であって、走った距離ではないのです。
走行距離が3万kmでまったくメンテナンスしてこなかった車と、走行距離10万kmでこまめにメンテナンスをしてきた車では、断然10万kmの車のほうが良い車と言えます。
中古車購入の際に走行距離が1つの目安になる事は間違いありません、
しかし、そこだけにとらわれず整備記録をしっかりとチェックする事が非常に重要なのです。
そうする事で、中古車選びの選択肢は劇的に広がりを見せ、理想の1台に出会える可能性はグッと上がってくるでしょう。
中古車はどう乗るかをイメージして選ぶ
中古車選びは、乗り方で変わってきます。
- 2~4年の車検のタイミングで買い替えを検討する
- 気に入った車を10年は乗りたい
- 期間は定めず乗りたい車を乗り潰すまで乗る
2~4年の車検のタイミングで買い替えを検討する乗り方の場合、売る事を前提に車を選ぶ必要がありますから、できればリセールバリューを考慮したいところ。
リセールバリュー重視であれば、やはり年式が新しく、走行距離も少ない車両がおすすめです。
また、選ぶボディカラーもパール系のホワイトにしておいたほうが良いでしょう。(同じ車でもホワイトは大人気)
トヨタのランドクルーザーや、アルファード/ヴェルファイアはリセールバリューが非常に優秀。
ある程度年式が古くても高値で売却できる可能性が高いです。
実はわたしの友人が、アルファードを500万円ほどで購入して、3年ほどして売却した際、なんと400万円もの高値がついたという話をききました。
そのときに友人が利用したのは「車一括査定」なのですが、実に新車のアルファードをたった100万円で手に入れた計算になるのです。(3年の期限ありですが)
ちなみに味を占めた友人は、現在はランクルに乗り替えています。
気に入った車を10年は乗りたいという人は、年式は新しめで、走行距離は3万km~の車がおすすめです。
もちろん走行距離が浅めで値段も手ごろな物があればそっちのほうが良いのですが、3万kmを超えると値段がかなり下がり始めるので、コストパフォーマンスを考えるとこの辺が妥当でしょう。
年式によって装備が変わるものがあるので、欲しい車の車種が決まったら年式別の装備をしっかりと確認しておくことをおすすめします。
期間は定めず乗りたい車を乗り潰すまで乗る場合は、特に縛りはありません。
買い替えることを前提としていないのと、10年は乗りたいという目標もありませんから、欲しいと思っている車種で、予算に折り合いがつくものを、そのまま買えばいいのです。
この場合の選択肢は非常に広くなり、憧れの高級輸入車も視野に入ってくるでしょう。
1つ注意する事があるとすれば、整備記録がしっかりと残っているものを選ぶというところで、ここを踏まえておけば、わりと満足のいく買い物ができるのではないでしょうか。
中古車選びで選択肢を更に広げる方法
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶん欲しいクルマを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
コメント