2019年2月、プレミアムSUVブームの火付け役と言っても過言ではないBMW X5がフルモデルチェンジを経てリリースされました。
今回のフルモデルチェンジで第四世代となる新型X5ですが、仕上がり具合が気になっている人も多いのではないでしょうか。
ということで、今回は新型BMW X5に試乗してきましたので、詳細をレポートしていきたいと思います。
BMW X5とは

初代X5は2000年に登場しました。
当時は北米を中心としてSUVブームに沸いており、プレミアムブランドであるBMWもSUVマーケットに進出したわけですが、開発にあたっては、当時BMW社の傘下にあったローバー社のモデルであるレンジローバーからSUVのノウハウを吸収したと言われています。
レンジローバーといえば、砂漠のロールスロイスなんて言われており、言わずと知れたキングオブSUVですからね。
X5の開発の下地は完璧だったといえるでしょう。
リリース前はスポーティーなブランドイメージを持つBMWが、背の高いSUVを開発するという事に対して、懐疑的な意見も多かったようです。
がしかし実際に発表されたX5は、BMW社のモットーである「駆け抜けるよろこび」を見事に体現した、まったく新しいタイプのSUVに仕上がっており、非常に高い評価を得て欧州や北米を中心に大ヒットとなりました。
その後X5の成功を受け、ポルシェのカイエン・メルセデスのGLシリーズ・アウディのQシリーズと続き、今ではベントレー・ランボルギーニ・ロールスロイス・アストンマーティンなど、スーパープレミアムメーカーまでもがこのマーケットに参入するようになりました。
本当に驚きですよね。
ということで、この流れを作ったX5は、プレミアムSUVのパイオニアといえるのです。
ちなみにBMWはXのつくSUVタイプのシリーズを、SAV(スポーツ アクティビティー ビークル)という名称で呼んでいます。
新型X5概要

新型X5のプラットフォームですが、コードナンバーも先代のFからGにかわり、現行のBMW7シリーズと同じCLAR(クラスター・アーキテクチャー)と呼ばれる新型プラットフォームが採用されています。
CLARプラットフォームとは、アルミやカーボンファイバーといった素材を採用した次世代プラットフォームです。カーボンファイバーを使うことで、耐久性を変えずに軽量化に成功しているわけですが、車両重量の軽量化は、そのまま走りの向上に繋がることになりますから、非常に重要なポイントといえます。
また、アルミの使用量を増やしたことで、ボディのねじれ剛性が33%も向上しました。
これにより、正確な操舵性能や、車内に入る微振動も抑制されています。この辺の乗り心地のポイントは、意識すると非常に明確に確認できるポイントで、高級車の必須条件になっていますが、新型X5はその辺に磨きをかけているようですね。
新型X5のボディサイズですが、
- 全長4,935mm(先代比+36mm)
- 全幅2,005mm(先代比+66mm)
- 全高1,770mm(先代比+19mm)
とかなり大型化しており、実物を目の前にすると……、かなり大きくて圧倒されます。
それだけに、最小回転半径も5.9mと大きいのですが、わたしが乗っているXC90の最小回転半径はジャスト6mと、新型X5より大きいですが、小回りが利かなくて困るというシチュエーションは意外と少ないです。
ショッピングモールやコインパーキングなんかでも全然大丈夫だったりします。
次に燃費性能ですが、WLTC燃費ですが、
- 市街地 8.7km/L
- 郊外路 11.8km/L
- 高速道路 13.7km/L
となっています。
ディーゼル車ということもあり、もう少し低燃費を期待していましたが、車両重量が2,190kgの巨体なので致し方ありませんね。
デザインについて

新型X5は、BMWらしくバッチリとキープコンセプトをしながら、それでいてしっかりと新しさを演出したデザインをしています。
わたしはこのエバーグリーンなBMWのデザインが本当に好きです。
新しいデザイン言語を用いたエクステリアで、特に目を引く変更点は、大型化して左右繋がった「モノ キドニー」と呼ばれるグリルのデザインですね。
また、X3で不評だったグリルの中が丸見えになっていた作りも、新型X5では速度に応じてフラップを閉じて走行抵抗を軽減するアクティブエアーフラップを採用したことで、停車時にグリル内部の鼻毛みたいに見える鉄パイプが隠れるようになった点は嬉しい改善ポイントです。
また、キャラクターラインがリアフェンダーに沿うように跳ね上がっている点も躍動的でカッコいいですね。
リアゲートが上下分割で開くところも実用的で良い感じです。
インテリアデザインですが、開発にあたって特に力を入れたとメーカーが言っているように、先代と比べてラグジュアリー感が飛躍的に向上しています。
今までは「BMWは走りは最高だけどインテリアデザインが他社の競合と比べると、ちょっとな……」という意見がありましたが、新しいデザイン言語の採用でその辺のネガは見事に払拭されていますね。
特にX5のクリスタルのシフトノブは所有感を最高に高めてくれるでしょう。
試乗インプレッション

運転席に乗り込んでまず最初に感じるのは、飛躍的に向上したインテリアの質感です。
本革を贅沢に使ったインテリアに、シートもプレミアムカーにふさわしいデザインと質感に仕上がっています。
先代に比べてマテリアルもシルバーパーツが多用されており、チープさは微塵も感じません。

試乗車はM SPORTモデルで、オプションもいろいろ付いており、夜間に15,000以上のライトが、まるで星空のように演出される「スカイ・ラウンジ・パノラマ・ガラス・サンルーフ」や、保冷・保温機能付きのカップホルダーが付いており、とても魅力的でした。
運転席のドアを閉めた後の高い密閉感とそれらの上質な空間が、心地よい所有感に繋がっていきます。
エンジンを始動して太めのステアリングを握り、アクセルを踏み走りだすと、2,190kgの巨体が音もなく滑らかに動き出します。
やはりこのクラスのプレミアムカーは滑り出しがとても滑らかで気持ちいいですね。
ディーラーを出るときにステアリングを操作して気づいたのが、その軽さです。

以前新型のX3が登場したときの試乗レポートでも書きましたが、BMWの車はステアリングが結構どっしりとしているのが特徴的で、わりとそれが好きだったのですが、BMWらしからぬ軽さがありちょっと違和感を覚えました。
たぶん設定で変えられるのだとは思いますが、個人的にはBMWはどっしりしたフィーリングじゃないと落ち着かないですね。
そしてもう一つ驚いたのが、足回りが非常にしなやかなことです。
今までのXのキャラクターは、BMWらしくガッチリした足回りをしていたので、この感覚は結構意外でした。
ただ、それが逆に真新しく気持ち良い感じだったんですよね。
ちなみに、試乗車のタイヤは21インチとかなり大型だったので、乗る前は結構ハードな印象をイメージしていたので、本当にびっくりしました。

アクセルを踏み込んで加速すると、快感!これぞBMWという感じで加速していきます。
試乗したのは3リッターの直列6気筒のディーゼルターボでしたが、(2019年の9月時点では他のパワートレインはなし)回転フィールやトルクの盛り上がり方が尋常じゃないくらい繊細で上質です。
淀みなく、雑味もなくエンジンがふけ上がっていく感じは最高に気持ち良かったです。
この辺はさすがの一言ですね。
ちなみに、音だけではもはやディーゼルかどうかの判断はできないくらいに静粛性は高まっていました。
また、ディーゼルエンジンなのにレッドが5,000回転に設定されており、高回転までしっかりと気持ちよく回っていく様も本当にさすがだと感じました。
ちなみに、ここでドライブモードをスポーツに変更してみましたが、ステアリングの舵が引き締まり、また足回りも従来のBMWらしいセッティングになり、「なるほどそういう事か」と妙に腹落ちし、安堵したのでした。
BMW X5をお得に買うために
BMW X5は、まさにパイオニアにふさわしい進化を遂げていました。
内装の豪華さや、走りにも優雅さが追加された印象で、プレミアムSUVの購入を検討している人には絶対におすすめしたい1台だと思いました。
上記の感想はあくまでもわたしの主観にもとづく感想ですので、BMW X5が気になっている人は是非一度ディーラーで試乗をしてみてください。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
- 相場を知る事で売却額の交渉ができる
- ディーラー提示額が高いか安いか正しい判断ができる
- 相場額より安く売ってしまうという失敗を避けられる
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
- 来店不要
- ネットでかんたん・登録無料
- 相見積もりを一気に確認できる
愛車が高く売れれば、そのぶん欲しいクルマを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
コメント