レクサスといえば、日本が世界に誇るプレミアムカーブランドですが、レクサスのラインナップの中でも特に支持されているモデルといえば、レクサスRXなのではないでしょうか。
レクサスRXが絶大な支持を得ている理由は今流行りのSUVタイプであるというのもありますが、2019年のマイナーチェンジにより手に入れた進化した走行性能や、新たに実装された最新の安全装備も大きく関係しているのだと思います。
さて、そんな街中でも良く見かける大人気のレクサスRXですが、実際の乗り心地はどうなのでしょうか。
レクサスRXの購入を検討している人には、本格派の欧州ブランド車との比較も気になるところだと思います。
ということで、今回はレクサスRX450hに試乗させていただきましたので詳細をレポートしていきたいと思います。
レクサスRXとは
初代レクサスRXは、高級セダンの乗り心地と快適性を兼ね備えたSUVとして開発され、1988年の発売直後から北米を中心に爆発的に売れました。
発売から5年間で40万台近く売れたというから驚きです。
ちなみに初代と2代目のRXは、日本国内のみ「ハリアー」の名称で販売されました。
そう、あの「トヨタ ハリアー」です。
現行のレクサスRXは4代目となっており「RXでありながら、RXを超えていく」をコンセプトに開発されましたが、2019年のマイナーチェンジで、走行性能や安全性能において更に磨きがかかった感があります。
ということで新型レクサスRXは、プレミアムEセグメントSUV市場の中にあって、競合の欧州車とがっぷり四つで争えるレベルの実力を手に入れました。
マイナーチェンジでの変更点について
今回のマイナーチェンジで、特に嬉しいポイントは安全支援系システムのアップグレードでしょう。
まず、いわゆる自動ブレーキシステムであるプリクラッシュセーフティですが、今回より夜間の歩行者の検知と、昼間のサイクリストの検知が可能となりました。
(実はあまり知られていませんが、自動ブレーキシステムを搭載している車のほとんどは、人を検知できません)
また、全車速追従機能である「レーダークルーズコントロール」に「レーントレーシングアシスト」が追加された点が嬉しいポイント。
これは、全車追従時にステアリングを自動的に調整し、車線の真ん中を走ってくれるシステムなのですが、長距離移動時の疲労が劇的に軽減されます。
実はACC起動時に車線の真ん中を走ってくれる制御になっている車ってまだまだ少ないんですよね。
エクステリアのデザインについては、フロントグリルやバンパーが変更されているようですが、ほとんど変化は認められません。
4代目RXのエクステリアデザインがそれだけ完成度が高かったという事でしょう。
一方でインテリアの変更点ですが、メインディスプレイがタッチパッド式になったのが嬉しいポイントです。
これだけスマホやタブレットの世帯普及率が上がっているのに、実は車のディスプレイでタッチパッド式になっているものは、まだまだ少ないのが現状ですからね。
ただし、今回RXに搭載されたタッチパッド式ディスプレイは、ピンチイン・ピンチアウト操作による画面の拡大縮小やタッチによる決定操作はできますが、フリック操作で画面を前後左右に動かす事ができないところが非常に残念です。
そう考えると、新世代ボルボが採用しているSENSUS(センサス)は、タブレットと同じように操作できるので非常に優秀である事がわかります。
ちなみに、今回のマイナーチェンジからコネクティビティー機能が充実し、スマートフォンとの連携でアップルのCar PlayやAndroid Autoが利用可能となりました。
今流行りの置くだけ充電も搭載されており、エンターテインメントの面では隙がなくなりました。
ただ、インテリアで一つ残念だったのは、相変わらずスイッチやボタン類が多く、見た目がスッキリしていない点と、それらのボタンが安っぽいプラスチック製である点が変更されなかった点です。
RXのインテリアは全体的には非常に質感が高く、凝った意匠なのですが、細部に目を向けるとプラスチック製のマテリアルが気になってしまうんですよね。
レクサスRXには、RX450hLという3列仕様のロングタイプのモデルがありますが、マイナーチェンジにより3列目の居住性が改善されています。
ただし、やはりRXの3列目シートはエマージェンシーシートの域を出るものではありません。
2列目シートの快適性を犠牲にして前方にスライドさせてもまだ窮屈です。
身長が175cm程の人が乗ると天井に頭が付きますから長時間乗っているのは不可能ですね。
3列目を利用する際は小学生くらいの子供を3列目に乗せるなどのやり繰りは必要でしょう。
また、3列目シートを畳むにはラゲッジスペースにあるボタンを押すと電動で畳めるのですが、畳み終わるまでボタンを押しっぱなしにしないといけない点がちょっと煩わしいですね。
だったら手動で1秒で畳める方が良いと感じてしまいます。
ということで、3列目シートに関しては空間作りを含めてEセグメントSUVの競合である「アウディQ7」や「ボルボXC90」に軍配が上がりそうです。
ちなみに、2列目シートに独立式のキャプテンシートの6人乗りのラインナップが増えた点は嬉しいポイントです。
今回のマイナーチェンジでは、シャシーにも手を加えています。
具体的には、シャシーを形成する際のスポット溶接個所を増やしたことと、構造用接着剤を多く使うことで、今まで以上にボディの剛性感を高めた点です。
ボディ剛性がアップしたため、走行時の安定性が格段に向上しました。
世界初のシステムを採用
今回マイナーチェンジしたレクサスRXには、世界初のシステムが採用されています。
その名は、ブレードスキャン式アダプティブハイビームシステム(AHS)。
LEDヘッドライトの点灯・消灯を制御することで照射エリアと遮光エリアを調整するシステムなのですが、まったく新しい技術により、従来のものよりも更にきめ細かく照射・遮光のエリアを調整するというものです。
少々地味に聞こえる新技術ですが、実はこういう細かいところの技術革新の積み重ねが、プレミアムブランドには重要なんですよね。
試乗インプレッション
今回は、RX450h version Lに試乗させていただきました。
運転席のドアを開けてシートに座ると、柔らかめのシートが体を包んでくれます。
まるでRX450h version Lの走りの質感を暗示しているような優雅さがありますね。
重めのドアの感触は高級感があってとても良い感じ。
ドアを閉めると心地よい密閉感に包まれます。
この感覚はプレミアムカーの最低条件ですよね。
ステアリングを握ってエンジンを始動すると、プレミアムカーに心が同期する感じがして自然と背筋が伸びます。
アクセルを踏んで走り出すと、ハイブリット特有のなめらかな滑り出しに感動。
ステアリングも非常に軽くて、2,000kgを超える巨体である事を完全に忘れてしまいます。
次に静粛性能に関してですが、静粛性の概念を車に初めて持ち込んだレクサスだけあって、RXの静粛性能も極めて優秀です。
ただ、走り出しがあまりにも静かなので、時速20km/hくらいに始動を始めるエンジンの音が相対的にうるさく感じてしまう点は何とも皮肉です。
その落差がちょっと気になるなという人は少なからずいるかもしれませんね。
ただし、スピードが乗ってくると風切り音がまったくしない点に再び驚かされます。
この辺の静粛性能は、高速走行を得意とする欧州のプレミアムカーと比較しても勝っていると感じました。
ということで、走っていてスピードを感じづらく、気が付いたら結構なスピードになっていた、なんていう事もしばしば。
視点を動かさずにスピードを確認できるヘッドアップディスプレイをしっかりウォッチしてスピードの出しすぎに注意しましょう。
足回りは非常にしなやかで、乗り心地は極めて優雅です。
さすが北米で大ヒットしているだけあって、アメ車に乗っているようなフワフワ感がたまりません。
この辺は好みが分かれるポイントだと思いますが、個人的にはスポーティーよりもコンフォートな乗り心地が好みなので、最高に心地よかったです。
これぞレクサスという上質な乗り心地でした。
段差のいなしも素晴らしいですね。ステアリングの操舵感もファジーでアメ車っぽいと感じました。
やはりレクサスRXは、優雅にゆったりとした乗り味をしたキャラクターと言えそうです。
レクサスRXをお得に買うために
【レクサスRX】価格表 ※2020年3月時点 | 新車 | 中古車 |
---|---|---|
RX300 | 513万円 | 438~500万円 |
RX300 AWD | 540万円 | 379.9万円 |
RX300 F SPORT | 602万円 | 479~718万円 |
RX300 version L | 615万円 | 498~598万円 |
RX300 F SPORT AWD | 629万円 | 553~890万円 |
RX300 version L AWD | 642万円 | 528~578万円 |
レクサスRXは、欧州のプレミアムSUVの乗り心地と比べると「まったく違った切り口でプレミアム感を演出しているなぁ」という感想で、こんなにゆったりと優雅に乗れるSUVはなかなかないなと感じました。
ただ、上記の感想はあくまでもわたしの主観にもとづく感想ですので、レクサスRXが気になっているという人は是非一度ディーラーで試乗してみてください。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それは、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べてからディーラーに行くことです。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶんレクサスRXを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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