日本で好まれる車の条件といえば、ずばりコンパクトであることです。
その理由は言わずもがなですが、狭い道が多い日本の道路状況に、コンパクトな車がマッチするからです。
いまはコンパクトな車でも驚くほど乗り心地が良くなっており満足度も劇的に向上していますので、コンパクトカーは売れるべくして売れているジャンルの車といえそうです。
そんなコンパクトカーのジャンルにおいて熾烈な販売競争を繰り広げているのが、「トヨタ ヤリス」と「ホンダ フィット」の2台。
ヤリスもフィットも2020年の2月の同時期にフルモデルチェンジを実施しており、この2台はまさにバッチバチのライバル関係にあるわけです。
今まさにこの2台のどちらを購入しようか迷っている!という人は結構多いと思います。
当記事では、購入した後に「失敗したー」「あっちのクルマを買っておけばよかったー」という失敗をしないように、「ヤリス」と「フィット」の
- スペックの比較
- 車種ごとの価格比較
- ヤリス・フィットそれぞれの特徴と魅力の比較
- 安く購入するためのテクニックとポイント
の4つについて、解説していきます。
どちらもおなじコンパクトカーのジャンルですから、そこまでの違いはないような気がしますよね?
ただ、実際にヤリスとフィットを比較してみると面白いほどキャラクターが違う事がわかりました。
この記事は5分ほどで読むことができますし、正しい車種選びをする事で、購入後の後悔もなくなりますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
【ヤリスとフィット】スペック比較
寸法 | ヤリス | フィット |
---|---|---|
全長mm | 3,940 | 3,995 |
全幅mm | 1,695 | 1,695 |
全高mm | 1,500~1,515 | 1,515~1,565 |
最小回転半径m | 4.8~5.1 | 4.9~5.2 |
車両重量kg | 940~1,110 | 1,180~1,280 |
両車のサイズの比較ですが、
全長はヤリスに比べてフィットのほうが55mm長くなっており、
全幅は両車1695mmで同寸。
全高は15~50mmフィットが高くなっています。
ということで、サイズはじゃっかんフィットが大きくなっています。
それにともなって、最小回転半径はヤリスのほうが数値が低く、小回りがきくことがわかります。
次に重量を比較すると、フィットのほうがだいぶ重くなっている点に驚きます。
この辺は走りに影響を与えそうですね。
一般的には、車両重量が軽いと俊敏になり、重いと乗り心地が良くなる傾向にあります。
次にエンジンスペックの比較をみていきます。
【ヤリス スペック】
エンジン | 排気量CC | 最高出力kW[ps]/rpm+モーターkW[ps] | 最大トルクNm[kg.m]/rpm+モーターNm[kg.m] | WLTC燃費 |
---|---|---|---|---|
直列3気筒DOHCガソリンNA | 996 | 51[69]/6,000 | 92[9.4]/4,400 | 20.2km/L |
直列4気筒DOHCガソリンNA | 1490 | 88[120]/6,600 | 145[14.8]/4,800 | 21.6km/L |
ハイブリット | 1490 | 67[91]/5,500+59[80] | 120[12.2]/3,800+141[14.4] | 36.0km/L |
【フィット スペック】
エンジン | 排気量CC | 最高出力kW[ps]/rpm+モーターkW[ps] | 最大トルクNm[kg.m]/rpm+モーターNm[kg.m] | WLTC燃費 |
---|---|---|---|---|
直列4気筒DOHCガソリンNA | 1317 | 72[98]/6,000 | 118[12]/5,000 | 20.4km/L |
e:HEV (ハイブリット) | 1,496 | 72[98]/5,600+80[109] | 127[13]/4,500+253[25.8] | 29.4km/L |
ヤリスは
- 1Lの直列3気筒ガソリンエンジン
- 1.5L直列4気筒ガソリンエンジン
- ハイブリット
の3種類のパワートレインが用意されており、
フィットは
- 1.3L直列4気筒ガソリンエンジン
- ハイブリット
の2種類のパワートレインが用意されています。
ということで、ガソリンモデルに関しては、パワートレインのスペックが、かぶらないように微妙にずらされていますので、正確に優劣をつけがたくなっていますが、単純に数値だけでみるとヤリスのほうがパワフルで燃費も良いことがわかります。
次に、ハイブリットを比較してみると、
最高出力で36馬力、最大トルクは119Nmもフィットが上回っており、「力強い走り」という点においては圧倒的にフィットが勝っています。
逆に、燃費は6.6km/Lヤリスが上回っており、トヨタのハイブリットシステムの面目躍如といったところでしょうか。
この辺の選択は好みがはっきりと分かれそうですね。
トランスミッションは、フィットはCVTとなっていますが、ヤリスはCVTにプラスして、6速のマニュアルが用意されている点も大きなトピックと言えるでしょう。
マニュアルが好きという人は一定数存在しますからね。
【ヤリスとフィット】価格の比較
次にヤリス、フィットのそれぞれの価格はどのような設定になっているのか見ていきましょう。
【ヤリス】価格表 ※2020年4月時点 | 新車価格 | 北海道地区 | |
---|---|---|---|
X | 1.5L・CVT・2WD | 1,598,000円 | 1,627,700円 |
1.5L・CVT・4WD | 1,831,000円 | 1,860,700円 | |
1.5L・6MT・2WD | 1,543,000円 | 1,572,700円 | |
1.0L・CVT・2WD | 1,455,000円 | 1,484,700円 | |
1.0L・CVT・2WD Bパッケージ | 1,395,000円 | 1,424,700円 | |
HYBRID X | 1.5L・2WD | 1,998,000円 | 2,021,100円 |
1.5L・E-Four | 2,241,000円 | 2,264,100円 | |
G | 1.5L・CVT・2WD | 1,756,000円 | 1,787,900円 |
1.5L・CVT・4WD | 1,954,000円 | 1,985,900円 | |
1.5L・6MT・2WD | 1,701,000円 | 1,732,900円 | |
1.0L・CVT・2WD | 1,613,000円 | 1,644,900円 | |
HYBRID G | 1.5L・2WD | 2,130,000円 | 2,155,300円 |
1.5L・E-Four | 2,338,000円 | 2,363,300円 | |
Z | 1.5L・CVT・2WD | 1,926,000円 | 1,957,900円 |
1.5L・CVT・4WD | 2,124,000円 | 2,155,900円 | |
1.5L・6MT・2WD | 1,871,000円 | 1,902,900円 | |
HYBRID Z | 1.5L・2WD | 2,295,000円 | 2,320,300円 |
1.5L・E-Four | 2,493,000円 | 2,518,300円 |
【フィット】価格表 ※2020年4月時点 | エンジン | 新車価格 |
---|---|---|
e:HEV BASIC | FF | 1,997,600円 |
FF(Honda SENSINGなし) | 1,926,100円 | |
4WD | 2,195,600円 | |
4WD(Honda SENSINGなし) | 2,124,100円 | |
BASIC | FF(Honda SENSINGなし) | 1,557,600円 |
FF | 1,486,100円 | |
4WD | 1,755,600円 | |
4WD(Honda SENSINGなし) | 1,684,100円 | |
e:HEV HOME | FF | 2,068,000円 |
4WD | 2,266,000円 | |
HOME | FF | 1,718,200円 |
4WD | 1,916,200円 | |
e:HEV NESS | FF | 2,227,500円 |
4WD | 2,425,500円 | |
NESS | FF | 1,877,700円 |
4WD | 2,075,700円 | |
e:HEV CROSSTAR | FF | 2,288,000円 |
4WD | 2,486,000円 | |
CROSSTAR | FF | 1,938,200円 |
4WD | 2,136,200円 | |
e:HEV LUXE | FF | 2,327,600円 |
4WD | 2,536,600円 | |
LUXE | FF | 1,977,800円 |
4WD | 2,186,800円 |
まずは、ヤリスとフィットにおける最も安いエントリーグレードの価格を比較していきましょう。
ヤリスのエントリーグレードは「X」、フィットのエントリーグレードは「BASIC」。
それぞれに安全支援系装備を外した最廉価グレードが存在します。
最廉価グレード価格比較
- ヤリスX「Bパッケージ」1,395,000円
- フィットBASIC FF「Honda SENSINGなし」1,486,100円
差額は91,100円となっており、わりと価格にひらきがあることがわかります。
ただし、ヤリスX「Bパッケージ」のエンジンは1L直列3気筒、フィットBASIC FF「Honda SENSINGなし」のエンジンは1.3L直列4気筒ですから、そもそもパワートレインのステージが違うのと、個人的な感覚でいえば、BASIC FF「Honda SENSINGなし」のほうがインテリアの質感は高く感じましたので、この価格差は十分受け入れられる範囲の差額だと感じました。
この辺はしょうじき好みの問題になってきますので、とにかく安価な車を求めるならば、ヤリスX「Bパッケージ」、安い価格の中にもそれなりのパフォーマンスと質感を求めるなら、フィットBASIC FF「Honda SENSINGなし」という選択が良いのではないでしょうか。
ちなみに安全支援装備ありの場合(ガソリン・FF)
- ヤリスX・1L・FF 1,455,000円
- ヤリスX・1.5L・FF 1,598,000円
- フィットBASIC ・1.3L・FF 1,557,600円
安全支援装備ありの場合は、完全にエンジンスペックによって価格の高低が決まるたてつけになっています。
最上級グレード価格比較
- ヤリス HYBRID Z・4WD 2,493,000円
- フィット LUXE 4WD 2,536,600円
価格差は43,600円と、フィットのほうが高くなっていますが、フィットLUXEのインテリアは本当に上質で、シートは本革シートが標準となっています。
ヤリスHYBRID Z のシートは標準だとファブリックとなっており、オプションで合成皮革にチェンジできるものの、質感はフィットに劣ります。
ということで、フィットLUXE のラグジュアリー感をみると、43,600円の差というのは逆に安く感じてしまうかもしれません。
価格表を見ていただけたらわかるように、ヤリスとフィットは競合でありながら、パワートレイン・グレード・価格帯を微妙にずらしており、ピタリと被るようなグレードがないのが特徴となっているので、一概に金額だけ見て比較するのは非常に難しくなっています。
なので、ある程度大雑把にターゲットを定めた後は、実際にディーラーに足を運んで実車を確認することをおすすめします。
ヤリス・フィットそれぞれの魅力と特徴の比較
ヤリスの魅力は、何といっても
- 意のままに操れる走行性能
- コンパクトなので老若男女問わず運転しやすい
- 充実の便利装備
が魅力です。
今回のフルモデルチェンジで、トヨタ自慢のプラットフォームであるTNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー)をコンパクトカーとして初めて採用。
低重心&高剛性のボディが、コンパクトカーとは思えないような走りの質感を生みだします。
また、最小回転半径は4.8~5.1mと、非常に小回り性能に優れていますので、運転が苦手という人でも自信をもって運転できる点も嬉しいポイントです。
また、お好みのシートポジションを記憶させて、簡単操作で素早くシート位置を調整してくれる、運転席イージーリターン機能や、シートがくるッと回転しながらチルトして、乗り降りがラクになるターンシートチルトなどの便利機能も魅力的です。
新型フィットは
- 上質な乗り心地
- 進化した走りの質感
- 使い心地がいい
という点が最大の魅力です。
ボディースタビライジングシートという構造のシートを採用し、乗り心地を追求し、e:HEVの走りはコンパクトカーの枠を超えたダイナミックな走りを実現しています。
また、ホンダらしい見切りのいいフロントビューや、使い心地を追求したアイデアが満載です。
【ヤリスとフィット比較】まとめ
同じコンパクトカーのジャンルにあって、ヤリスとフィットはまったく違うキャラクターをしていることがわかったと思います。
ヤリスの大きなトピックは、何といっても満を持してTNGAプラットフォームが採用された点で、走りの質感が大きく改善されています。
一方で新型フィットは、パワートレインにe:HEVを持ってきたのが最大のトピックとなっており、「ヤリスはシャシー」「フィットはエンジン(ハイブリットシステ)」で勝負してきています。
グレード選びの面白さはフィットが勝っていますが、乗り心地に関しては両車一歩も引かない完成度となっています。
ということで、ある程度グレードを決めた後は、実際に試乗してみて両車を比較することをおすすめします。
安く購入するためのテクニックとポイント
車を購入する際に、試乗をしない人が増えていると聞きますが、試乗は必ずしたほうがいいでしょう。
なぜなら、車は車種ごとに乗り心地や性能が違います。
人というのは想像以上に感性が鋭く、ちょっとした違和感でもストレスを感じるものです。
そういうちょっとしたストレスは、必ず購入後の後悔へと繋がっていきますので、ある程度購入するクルマが絞られてきたら、積極的にディーラーへ行って試乗や営業マンの話を聞いてみてください。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶんヤリスやフィットを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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