つい10年程前は、軽自動車といえばダイハツやスズキが大きなシェアを誇っていましたが、いつの間にか軽の勢力図は塗り替えられており、現在は「軽と言えばホンダのNシリーズ」となっていますよね。
そんなNシリーズのN-WGNが、2019年8月にフルモデルチェンジを果たしました。
新型N-WGNに搭載されている装備は、「軽もとうとうここまで来たか」というような充実装備となっており、もはやハイトワゴンの雄であったスズキのワゴンRやダイハツのムーブを凌駕する存在になっています。
発表以来話題になっているN-WGNですから、今まさに購入を検討しているという人は結構多いですよね。
どのグレードを選べばいいのかわからず、迷っていませんか?
今回は新型N-WGNのグレードごとのスペック・先進装備・ユーティリティーを徹底チェックしていきたいと思います。
N-WGNのデザインについて
新型N-WGNはノーマルとカスタムの2種類の車種が存在していますが、両車のデザインは、現在の日本車デザインのトレンドとも言える、いわゆる「オラオラ系」のデザインとは距離を置いたデザインとなっています。
キャラクターラインを廃したシンプルなサイドデザインや、レトロな中にも近未来的なメカ感があるフロントフェイスのデザインには、とても真新しさを感じますね。
オラオラ系デザインに正直食傷気味になっている人も多いでしょうから、もしかしたらこれを機にエクステリアデザインのトレンドに変化が起きる可能性は大いにありますね。
N-WGNのノーマルとカスタムのデザインの違い
ノーマルのN-WGNのデザインですが、非常にシンプルな印象です。
近年の日本車のエクステリアデザインは非常に凝っており、キャラクターラインも複雑怪奇で、とりあえず陰影ポイントを多く作っておけばOKみたいな風潮がありましたが、N-WGNのエクステリアデザインは、そんな日本車市場に一石を投じるデザインになっていますね。
特徴は何といってもその「丸目」です。
オラオラ感は皆無で、とても可愛い印象で、女性受けしそうな雰囲気ですね。
サイドから見た印象も、スーパーハイト系のワゴンよりも背が低いので、流麗でスタイリッシュな印象に仕上がっています。
Lグレードになるとルーフのカラーを変更できるようになりますから、よりオシャレな雰囲気になりますね。
次にN-WGNカスタムのデザインですが、可愛らしいデザインのノーマルモデルとは打って変って一気に硬派な印象になりますね。
角目のヘッドライトに、小さい横長のブロックを整然と配置したフロントグリルが非常に特徴的で、まるで表情の読み取れない鉄仮面のような顔つきをしており、ミステリアスな雰囲気すら感じさせます。
見ていて心温まるようなデザインのノーマルを選ぶか、硬派でミステリアスな印象のカスタムを選ぶか、非常に悩ましいですね。
N-WGNは「Honda SENSING」が全グレードで標準装備
Honda SENSINGとは、単眼カメラとミリ波レーダーを使ったホンダの安全運転支援システムです。
N-WGNはそのHonda SENSINGが全グレードで標準装備となっていますが、これこそが新型N-WGN最大の強みと言えるでしょう。
では、具体的にHonda SENSINGとはどんな機能なのか詳細を見ていきましょう。
ACC(アダプティブ・クルース・コントロール)
簡単なスイッチ操作で前走車との適切な車間距離を保ちながら、自動的に追従走行をしてくれる機能です。
速度や前車との車間距離も簡単なスイッチ操作で設定でき、ドライバーの運転負担を大幅に軽減します。
また、新型N-WGNからいわゆるストップ&ゴー対応型なので、渋滞時でも力を発揮する点も嬉しいポイントです。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)
安全運転支援装備の基本。
もはやこの装備がないと戦えない時代に突入していますね。
ちなみに、新型N-WGNから「人」「自動車」以外に、「自転車」も認識できるようになったとのことで、とても頼もしい装備になりました。
歩行者事故低減ステアリング
歩行者と衝突のおそれがある場合、音とディスプレイ表示で警告。
さらにステアリング操作支援を行います。
誤発進抑制機能、後方誤発進抑制機能
停車時や10km/h以下の低速後退時、前後に障害物がある場合でドライバーがアクセルを踏み込んでしまった場合に急な発進を抑制します。
LKAS(車線維持支援システム)
時速65km以上で走行する際に車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援するシステムです。
高速道路走行時にドライバーの負担を軽減します。
その他にも、
- オートハイビーム
- 路外逸脱抑制機能
- 先行車発進のお知らせ機能
- 道路標識認識機能
などがあり、これらの機能の総称をHonda SENSINGと呼んでいます。
N-WGNグレード別装備比較
装備/グレード | G | L | Lターボ | Custom G | Custom L | Custom Lターボ |
---|---|---|---|---|---|---|
Honda SENSING | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
パーキングセンサーシステム | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
LEDヘッドライト | – | op | ● | – | – | – |
9灯式フルLEDヘッドライト | – | – | – | ● | ● | ● |
電子パーキング&オートホールド | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
テレスコピック&チルトステアリング | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
ナビ装着用SP+ETC車載器 | – | ● | ● | – | ● | ● |
充電用USBジャック | – | ● | ● | ● | ● | ● |
運転席&助手席シートヒーター | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
本革巻ステアリングホイール | – | – | – | – | – | ● |
360°スーパーUV・IRカットパッケージ | – | ● | ● | – | ● | ● |
LEDシーケンシャルターンシグナル | – | – | – | ● | ● | ● |
パドルシフト | – | – | ● | – | – | ● |
新型N-WGNは大きく分けると「ノーマル」と「カスタム」という車種があり、それぞれに「G」「L」「Lターボ」の3つのグレードが存在します。
また、さらにFFと4WDで駆動タイプを選べるようになっていますので、トータル12種類のモデルから選べるようになっています。
ちなみに、「G」は必要最低限の装備のエントリーモデルの位置づけ。
「L」はこの装備は欲しいなというポイントを押さえたスタンダードモデルの位置づけとなっています。
そして「Lターボ」はスポーティーなキャラクターを与えられた上級モデルとなっており、馬力やトルクもその他のモデルと比較してパワフルになっています。
低価格で購入しやすい「G」グレード
「G」グレードの価格はFF(2輪駆動)モデルで1,298,000円、4WDモデルで1,431,100円と、非常にお求めやすい価格になっており、そこが何より魅力的です。
装備は他のグレードに比べると弱いですが、Honda SENSINGの他に、
オートホールド機能(停車中にブレーキペダルから足を離しても停車状態をキープ)
テレスコピック&チルトステアリング(ハンドルを上下、奥、手前にポジションを調整できる機構)
さらにはシートヒーター(4WDタイプのみ)
など、従来の軽自動車では考えられないような機能が標準装備されていますので、「これで十分だ!」という人もかなり多いのではないでしょうか。
装備充実のスタンダードモデル「L」グレード
「L」グレードの価格はFF(2輪駆動)モデルで1,364,000円、4WDモデルで1,497,100円となっています。
Lグレードから、ルーフカラーをホワイトに変更できるようになり、ツートンカラーを選択できるようになりますので、外観が一気にオシャレになりますね。
インテリアもGに比べてじゃっかん質感が向上しています。
また、LグレードはGにない、是非とも欲しい装備が標準で備わっています。
その装備とは、
「ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器」
「充電用USBジャック」
「360°スーバーUV・IRカットパッケージ」
これらの装備なのですが、
この内容が追加されてGとの価格差は僅か66,000円となっています。
純正ナビの使い勝手を高める便利な装備は欲しいですし、今どきUSBジャックが無いとスマホの充電にも困ります。
また、UVカットがあるのとないのとでは、車内の暑さや眩しさが圧倒的に違います。
66,000円程度の差であれば、是非欲しい装備といえますね。
スポーティーな「Lターボ」グレード
Lターボは、その名の通りパワートレインがNA(自然吸気)からターボ仕様になるため、馬力とトルクが上がります。
パワートレインのスペックは、
最高出力kW[ps]/rpm 47[64]/6,000
最大トルク Nm[kg.m]/rpm 104[10.6]/2,600
となっており、馬力は「G」や「L」に比べて6馬力上がり、トルクは「G」や「L」に比べて39Nm上がります。
また、最高出力は6,000回転で発揮し、最大トルクは2,600回転で発揮するため、「G」「L」に比べて低回転で効率よくパワーを引き出せるようになっている事がわかります。
ちなみに、競合である日産の「デイズ ハイウェイスター Gターボ」のパワートレインのスペックは
kW[ps]/rpm 47[64]/5,600
Nm[kg.m]/rpm 100[10.2]/2,400となっており、
三菱ekクロスTのパワートレインのスペックは
kW[ps]/rpm 47[64]/5,600
Nm[kg.m]/rpm 100[10.2]/2,400となっており、
トルクで僅かにN-WGNが上回っています。
また、Lターボにはパドルシフトが標準装備となっている点はとても嬉しいポイントですね。
N-WGN グレード | 価格 | JC08燃費 | 最高出力kW[ps]/rpm | 最大トルクNm[kg.m]/rpm |
---|---|---|---|---|
G | 127 | 29.0km/L | 43[58]/7300 | 65[6.6]/4800 |
L | 133 | 29.0km/L | 43[58]/7300 | 65[6.6]/4800 |
L・ターボ | 150 | 25.8km/L | 47[64]/6000 | 104[10.6]/2600 |
Custom G | 151 | 29.0km/L | 43[58]/7300 | 65[6.6]/4800 |
Custom L | 158 | 29.0km/L | 43[58]/7300 | 65[6.6]/4800 |
Custom L・ターボ | 166 | 25.2km/L | 47[64]/6000 | 104[10.6]/2600 |
車種名 | JC08燃費 | 最高出力kW[ps]/rpm | 最大トルクNm[kg.m]/rpm |
---|---|---|---|
ホンダN-WGN | 25.8km/L | 47[64]/6000 | 104[10.6]/2600 |
日産デイズ | 25.2km/L | 47[64]/5600 | 100[10.2]/2400 |
三菱ekクロス | 25.2km/L | 47[64]/5600 | 100[10.2]/2400 |
車種名 | 価格 |
---|---|
ホンダN-WGN | 129~182万円 |
日産デイズ | 129~181万円 |
三菱ekクロス | 132~179万円 |
最上級グレード「Custom L・ターボ」
Custom Lターボは内装のシートやステアリングホイールが、より質感高い仕上がりになっています。
また、何と言ってもCustom Lターボにだけ備わる「本革巻きステアリングホイール」は非常に魅力的です。
アルミが15インチになる点もそそりますね。
ターボの力強い走りに、最上級の質感。所有感を満たしてくれる事請け合いですね。
チタン調ドアオーナメント
メッキエアコン
メッキレバーボタン
N-WGNの考え抜かれた荷室収納
新型N-WGNの荷室は、床が低くなっているぶん大容量になっており、上下2段に積み分けができる仕切りがついている点が面白いポイントです。
荷室の空間はシーンに合わせて3つのモードにアレンジできるので、とても使い勝手が良いですね。
ちなみに、3つの空間アレンジとはどんなものなのでしょうか。詳細を見ていきましょう。
2段ラックモード
備え付けのボードを使い、上下で荷室空間をセパレートできます。
下には重たいもの、上にはその日の買い物なんかを置いて、荷物がぐちゃぐちゃにならないように積み分けができます。
ローフロアモード
備え付けのボードを2列目の背面に収納すると、広い空間が現れます。
荷室の床が低く設計されているので、大きい荷物や背の高い荷物も楽に積み込めるようになりました。
ビッグラゲッジモード
2列目シートを畳むと、ほぼ段差のない広い空間が現れます。
下段スペースも同時に使えるのでとても便利です。
考え抜かれた装備と使い勝手の良さ
インパネトレーが非常にオシャレで便利です。
2列目シートの足元に設置されたトレーで、濡れた傘を収納できる便利装備です。汚れたら取り外して洗うことができる点がとても嬉しいポイントですね。
まとめ
新型のN-WGNの装備には本当に驚かされます。
装備面で言えば間違いなく軽自動車ナンバーワンでしょう。
「軽もとうとうここまで来たか」という充実装備で、価格もお求めやすい価格帯ですから、人気が出る事は間違いないでしょう。
この記事を読んでいただいている人の中にも、実際にN-WGNの購入を検討している人も多いと思います。
是非一度ディーラーへ行って実物をチェックしてみてください。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶん欲しいクルマを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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