イタリアを代表する上級自動車メーカー「アルファロメオ」から、満を持して登場したSUV「ステルヴィオ」
アルファロメオといえばスポーティーな車というイメージがあると思いますが、
アルファブランドのアイデンティティはSUVにあっても健在なのか。
気になる走りの特徴や、価格、スペックを紹介します。
ステルヴィオについて
ステルヴィオは、一足先にリリースされたFRセダンの「ジュリア」に次いで、
新アーキテクチャーの「ジョルジョ」からなる2例目の車で、アルファロメオの販売台数低迷を打破すべく開発された期待のSUVとなっています。
製造工場は、ローマとナポリの間に位置するカッシーノ工場。
この工場は地域最大の工場となっており、部品の生産から組み立てまで、純国産にこだわり、地域で5,300人にのぼる雇用を創出しているといわれています。
ということで、このステルヴィオは、長らく低迷したアルファの社運はもちろんのこと、
カッシーノ地方の人々の命運をも握っている1台といっても過言ではありません。
たずさわる人々の情熱や、ステルヴィオの完成度を見ると、今まさにアルファ復活の狼煙(のろし)が上がったのだということを実感できます。
ちなみに「ステルヴィオ」という名前は、48箇所ものヘアピンカーブを擁するイタリア北部のアルプス山中にある峠の名称です。
聞いただけで、車両のアジリティーの高さをイメージさせますよね。
パワートレインは2種類。
まずは、2.0リッター直4ターボのパワートレインがリリースされて、
後でV6ツインターボのハイパフォーマンスモデル「クアドリフォリオ」がリリースされる予定です。
ちなみに「クアドリフォリオ」は、510馬力の最大出力を擁し、
ニュルブルクリンクでのSUV最速タイムを記録したそうです。
そのタイムは脅威の7分51秒!
「レンジローバー・スポーツSVR」の8分14秒、
「ポルシェ カイエンターボS」7分59秒74よりも早いタイムなんです。
モンスターですね!
衝撃の事実!カーナビがない!?
ここで1つ衝撃の事実。アルファロメオ・ステルヴィオは、プレミアムSUVの中にあって、走りに特化した唯一無二のスペシャルカーですが、違う意味でも唯一無二となっています。
まさかの純正車載ナビゲーションシステムの用意がないのです!!
ナビが必要な人は(必要に決まっていますが)スマホと連動させて、
Apple CarPlayか、Android Autoを使い、メインディスプレイに表示させる必要がるとのこと。
一瞬「おいおい!それはないだろ」となりそうなところですが、実はこれがなかなか先進なのです。
ナビを設定するには、まずセンターコンソール内の端子にスマホを接続します。
すると即座にメインディスプレイにApple CarPlayもしくはAndroid Autoの画面が立ち上がります。
そこで地図アプリをタッチして、次にステアリングについている音声認識ボタンを押し、行先を告げます。
「東京ディズニーランド」。するとそれだけで目的地のナビ設定が完了してしまうのです!!
この間わずか10秒。驚きです!
少し前にパサートを1日借りた際に、純正の車載ナビゲーションに、とある施設を入力しようとしたところ、まったくうまくいかず、結局設定できなかったことがありました。
操作の仕方がまずかったのか、内蔵されている地図情報が古かったのかは不明ですが、
ステルヴィオのように、ネットワーク上の地図アプリでのナビゲーションであれば、常に最新の地図情報を得られますし、何より操作が簡単です。
ステルヴィオは、慣例にとらわれず、より良いものをしっかりと選択したのだといえるでしょう。
カーナビゲーションに関しては、今後間違いなくスマホとの連動がメインになっていくと思いますので、まさにステルヴィオは新しい扉を開いたと言えるのではないでしょうか。
ファースト エディション スペック
ホイールベース:2,820mm
車両重量:1,810kg 駆動方式 4WD
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHC直噴ターボ
最高出力:206kW(280ps)/6,000rpm
最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/2,250rpm
トランスミッション:8速AT
JC08モード燃費=11.8km/L
エクステリアとインテリア
エクステリアは、先行して販売されている「ジョルジョプラットフォーム」第1弾のジュリアをSUV版にした感じ。
伝統の盾をモチーフにしたグリルと、左右のエアインテークを合わせて三つ葉のクローバーに見立てた顔立ちは、どこか気品に満ちていて、唯一無二の存在感を放っています。
全体的に丸みを帯びたそのフォルムは洗練されており、アーバンな雰囲気をまとっています。
後述するとおり、「ステルヴィオ」は、そんな外観とはかけ離れた走りのポテンシャルを秘めているわけですが、そのギャップこそがこの車の最大の魅力と言えるのかもしれませんね。
インテリア
エクステリアのデザインに比べると、先鋭的な面は薄いものの、ボタン類がシンプルで、直感的な操作ができそうなのは好感がもてます。造りはドイツ車のようで、シンプルな造作の中にも高次元の上質さが備わっています。
後席のスペースは非常に広く、同セグメントのSUVの中でも居住空間は随一です。
ステアリングホイールはけっこう細いようですね。
走りが相当スポーティーなので、もう少し太いほうがしっくりいく気がします。
走りの特徴
ステルヴィオの特徴はなんといっても、
SUVとは思えないクイックなハンドリング性能でしょう。
あまりに過敏なハンドリング故に、一部不評の記事も見かけます。
ただ、一般道ではオーバースペックに思えるステアリングも、ヘアピンが続くようなワインディングでは最高のパフォーマンスを見せてくれます。
この辺は好みですので、何とも言えませんが、他に類を見ない操作性能という点は、斬新で心に響くのではないでしょうか。
もう一つの特徴がパワーです。
2.0リッターターボですが、280馬力、400Nmのポテンシャルがあり、
0~100km/hを5.7秒で駆け抜け、最高時速は230km/hを叩き出しています。
完全にスポーツカーの領域の走りで、その秀逸なアジリティーと併せて考えると、
完全にSUV離れした走りといえます。
ただ、乗り心地はあまりよくありません。
カチカチの足まわりが及ぼす室内の環境は、お世辞にも乗り心地が良いとは言えません。
突き上げも結構な強度で伝わってくるようです。
ステルヴィオは、乗り心地というよりは、走りの楽しさを追及した1台といえます。
まとめ
都会的なエクステリアデザインに反して、獣のような獰猛な走りをするステルヴィオは、間違いなく個性的な光を放つSUVといえます。
同セグメントの、競合は、ジャガーのF-PACEあたりかと思いますが、そこと比較しても、なお余りある個性。最高のSUVです!
車両本体価格:689万円
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