ミドルサイズのSUVを語るうえで外せない存在は、ずばりメルセデス・ベンツのGLCではないでしょうか。
日本の輸入車販売台数ランキングで5本の指に入る、CクラスのSUV版ということで、非常に注目度の高い1台ですから、実際にGLCへの買い替えを検討しているという人も多いと思います。
ということで、今回はメルセデス・ベンツGLCへ試乗させていただきましたので、詳細をレポートしていきたいと思います。
メルセデス・ベンツGLCとは
メルセデスのSUVであるGL名を冠したCクラスの車両です。
2015年にデビューしたGLCは、構造上左ハンドルの設定しかなかったGLKの事実上の後継モデルとなっておりますが、外観のデザインもガラッと変わりましたので、まったく違うモデルに感じます。
GLCからは逆に右ハンドルの設定のみになりましたが、左ハンドルのみのGLKに二の足を踏んでいた顧客が一斉にGLCを買い求める形となり、大きく販売台数を伸ばしました。
GLCのデザインについて
デザインは基本的にCクラスのものを踏襲した形です。
それにしても、メルセデスのインテリアは本当に細部に至るまで質感高くしつらえてあり、乗る度に「最善か無か」というメルセデスの哲学を全身で感じてしまいます。
競合となるアウディQ5、BMW X3、ボルボXC60あたりと比べても、上質感という点で言えば頭1つ抜けている印象ですね。
メルセデス・ベンツの安全性能について
車の安全性能の分野において、もっとも信頼を集めるメーカーと言えば、「ボルボ」と「メルセデス・ベンツ」でしょう。
両社しのぎを削っていますが、自動車の生産において「安全性能」という概念がまだなかった1939年、世界に先駆けて衝突安全性の研究に着手したのがメルセデス・ベンツだと言われています。
その他にも、1959年に衝突実験の開始、1969年には、警察と政府と連携して、実際の事故の検証を始めるなど、徹底して安全を追い求める姿勢は、多くのファンを獲得する一つの要因になっています。
また、人命保護や自動車産業発展の観点から、研究・開発した結果を、特許を取らずに広く世界に開放しているあたりも非常に素晴らしい取り組みですよね。(ボルボも同じ姿勢で、三点式シートベルトなど、広く開発した技術を開放しています)
こんな話を聞くとメルセデスを好きにならないわけにはいきませんよね。
メルセデス・ベンツGLC試乗
今回は、メルセデス・ベンツGLC220d 4MATICというディーゼルモデルに試乗させていただきました。
運転席に座ってまず感じるのは、極めて上質なインテリアのデザインです。
パーツ一つひとつの材質、配置、組付けなど、一切の妥協も感じない空間は迫力すら感じますね。
重めのドアを閉めると、車内空間は密閉されて、静謐な雰囲気が生まれ、思わず背筋がのびてしまいます。
スイッチやボタン類を操作すると、指先に適度な重さを感じ驚きます。
そういうちょっとした操作に対してのフィードバックすらも上質に感じ、感動しました。
正直、スイッチ類の操作感を含めて、インテリアの洗練度は、競合と比べてもGLCが断トツでナンバー1だと感じてしまいました。メルセデス恐るべしです。
次に走行性能。
アクセルを踏んで発進すると、ディーゼル特有の音と振動が一瞬伝わってきますが、すぐにスムースな走りに移行していきます。
ディーゼルエンジンのフィーリングに雑味がない感じは、BMW X3の20dの感覚を思い出しました。
ディーラーから車道に出るところで、段差を何度か乗り越えたとき、硬質な突き上げ感を感じました。ちょっと足が硬いかな?という印象。状態が左右に揺すられる感覚も気になりました。
ステアリングの感覚は非常に気持ちいいですね。
とても軽快で、フロントのオーバーハングが短いので、回頭性は一体感があります。
アクセルを踏み込んだ感じですが、加速は極めてスムースです。
9速のトランスミッションが次々と高いギアに繋いでいってくれるので、エンジンの美味しい回転領域から効率よくパワーを取り出してくれる感じで、非常に滑らかに加速していきます。
また、電子制御も洗練されている感じですね。
カーブが続くようなコースでは2速と3速をとても上手に行き来して、滑らかな走りを提供してくれます。
2速3速で迷ってギクシャクするような車はたくさんありますから、改めてメルセデスの実力を感じました。
GLCをしばらく乗ってみて感じたのは、乗り味がメルセデスらしいなというところでしょうか。
メルセデスらしさとはどういうものか。
それは、低速ではとてもしなやかな乗り心地で、高速走行時は、ピシッとしたフラット感が出る、というところです。このメリハリは、本当にメルセデス特有の味で、ドライバーに対して、心の豊かさと安心感を同時に与えてくれます。
また、試乗したGLCは4WD車でしたが、路面にピタッと吸い付くような接地感は、アウディのクワトロやスバルの4WDにも引けを取らない仕上がりになっており、とても気持ち良かったです。
GLCはSUVということもあり、サスペンションのストロークにゆとりをもたせてあるので、乗り心地も非常に上質ですし、また、ロードノイズもしっかりと吸収してくれます。
スムースな足さばきも特筆もので、このしっとり感は、まさに「ザ!メルセデス」という乗り味だなと感じました。
以前友人のCクラスに乗せてもらっていたことがありましたが、セダンのCクラスよりもGLCのほうがメルセデスらしい走りなのでは?とすら感じてしまいました。
最後に、GLCは他のDセグメントSUVの競合と比べると小柄に見えるのですが、実は後席のスペースはかなり広いです。
ヘッドクリアランスも拳が二つ三つ入るほど確保されていますから、ファミリーユースもしっかりとカバーできる車と言えそうですね。
メルセデス・ベンツGLCをお得に買うために
【GLC】 価格表 ※2020年9月時点 | 新車価格 | 中古価格 |
---|---|---|
GLC220 d 4MATIC | 700万円 | 339~691万円 |
GLC300 4MATIC | 787万円 | 678.0万円 |
GLC220 d 4MATIC Night Edition | 794万円 | – |
GLCは非常に上質なインテリア、高い走行性能、ボルボに並ぶ安全性能と、非の打ち所がない1台でした。
ただ、上に記したレポートはあくまでわたしの主観です。
感じ方はひとそれぞれ違いますから、実際にディーラーで試乗してみることをおすすめします。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それはとても簡単なことなんですが、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶんGLCを買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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