自動車業界ではSUVブームが続いており、各社SUVに重心を置いて新型車の開発を続けています。
ただその中身を見てみると、新型としてリリースされるSUVのほとんどはアーバンな装いをした都市型SUV、いわゆるクロスオーバーSUVとなっており、従来のクロスカントリーSUVと呼ばれる本格派のオフローダーは影を潜めている状況です。
日本のクロカンSUVの代表格である三菱パジェロが、2019年の8月をもって国内向けの生産を終了するというニュースが先日流れましたが、衝撃を受けた人は少なくないはずです。
そんなクロスカントリーSUVの中にあって、唯一気を吐く存在と言えば、ランドクルーザープラドなのではないでしょうか。
コアなファンにとどまらず、そのカッコよさから、ファッショナブルな感覚で購入を決定するユーザーも多く、今なお売れ続けているランクルプラド。
今回はそんな魅力的な本格派オフローダー、ランドクルーザープラドに試乗してきましたので、詳細をレポートしていきたいと思います。
ランドクルーザープラドとは
トヨタが世界に誇るクロスカントリーSUVであるランドクルーザーの中で、ライトデューティ用に開発された車両です。
1984年にランドクルーザー70系の派生モデルとして登場して以来多くのファンを獲得してきました。
現行車は2009年にモデルチェンジを果たした4代目となっており、2017年にマイナーチェンジを実施され、より洗練されたデザインを手に入れました。
また、衝突回避支援パッケージである「トヨタ セーフティー センスP」が前車標準装備となり、遅れをとっていた安全支援系の装備も充実した点は嬉しいポイントですね。
ランドクルーザープラドのデザイン
2017年のマイナーチェンジでデザインが一新されましたが、トピックとしては、ボンネットの両端が少し盛り上がる形に変更され、運転席から見て車両感覚が掴みやすくなった点です。
フロントマスクはマイナーチェンジでだいぶ印象が変わりました。
先代は、隈取りがある歌舞伎役者の目のようなヘッドライトでしたが、新型はグリルのデザインも含めてだいぶスッキリしましたね。
洗練されて、アーバンな装いになった印象です。
この辺は完全に好みになりますが、個人的には先代の歌舞伎フェイスのほうが好きでした。
インテリアの装いも質感が高くなっており、高級感があります。
ただ、全体的にデザインがちょっと古い印象です。
絶壁にはめ込まれたようなセンターパネルは、ミニバンぽい感じですし、スイッチ類がガチャガチャ多い点も今風ではありません。
価格的には立派に高級車の部類ですから、もう一頑張り欲しかったですね。
ただこの辺は、最近クロスオーバーSUVばかり乗っているわたしの感覚ですから、そもそもズレた意見と言えるかもしれませんね。
本格派のオフローダーであるランクルプラドには、これくらい大味なデザインがマッチするのだという意見が聞こえてきそうで、それはそれで納得できます。
ランドクルーザープラド試乗レポート
運転席のドアを開け、アシストグリップをしっかりと掴んで「ヨイショ」と乗り込みます。
運転席に座って前方を見ると、高く開けた視界に「おおっ!」と思わず声が出ます。
この感覚が最高ですよね!
車高の高い車だからこそ味わえる、少し自分が大きい人物になったような感覚。
とても気持ちが良いですね。
インパネ周りのデザインは、多少ミニバンぽく見えて残念な感じがしましたが、スイッチ類はメッキ加飾が施されていて質感は高い印象。
こういう保守的な雰囲気に好感を持つ人も多いのかもしれません。
エンジンを始動し、車を発進。ディーラーを左折で出るときにステアリングの感じを確かめると、非常に軽い印象。
更に一般道に出た後に加速していくと、こんどはどっしりと重くなり、高い安定感がうまれます。
ステアリングの感覚は非常に大事で、そこがしっくりこないとそれだけで台無しになるものですが、プラドのステアリングフィーは良く作り込まれている印象でした。
車のサイズは、全長4,825mm×全幅1,885mm×全高1,850mmとかなり大柄ですが、ボンネットの形状が左右の両端が盛り上がっていて車両感覚が掴みやすいので、非常に運転しやすいですね。
数分走るとサイズはまったく気にならなくなります。
走っていて一つ気になったのは、ちょっとトルクが細いかなとい点でしょうか。
今回試乗したのは、排気量2,693ccのNA(自然吸気)ガソリンエンジンだったのですが、最高出力が163馬力で最大トルクが246Nmとなっており、2,090kgの車体を動かすにはちょっと非力な感じが否めません。
十分なトルクを得られるまで、エンジンの回転数も結構上げないとならないため、車内にエンジン音もかなり響き渡る感覚がありました。
ディーゼルモデルにすればトルク問題は解決しそうですが、今度はディーゼル特有のカラカラ音問題が出てきそうですから、どちらが正解なのかは両方試乗をして判断したほうが良さそうですね。
乗り心地に関しては、さすがの一言!
クロカンSUV特有の、豊かなサスペンションストロークが生み出すゆったり感は非常に気持ち良いですね。
ちょっとフワフワしてフラット感は弱いですが、高級感のある乗り味でした。
最後に、今回の試乗車は3列目がある7人乗り仕様だったので居住空間を確かめました。
身長170cmのわたしが、膝を抱えた体育座りのような着座姿勢になりますので、おとなが長時間乗るのは現実的ではなさそうですね。
ただ、小学生くらいのこどもであればわりと長い時間乗っていられるのかもしれません。
今回ランクルプラドに試乗してみて感じたのは、ネガティブポイントは少々あるのですが、そこに目をつぶれてしまうブランド力がプラドにはあるな、という点でした。
憧れのランクルプラドですよ!? 多少の問題があっても欲しいに決まっています。
リセールバリューが優秀なのも背中を押してくれるポイントですしね。
ランドクルーザープラドをお得に買うために
【プラド】価格表※2020年3月時点 | 新車 | 中古車 |
---|---|---|
2.7 TX (5人乗り) | 360万円 | 175~435万円 |
2.7 TX (7人乗り) | 376万円 | 182~495万円 |
2.7 TX Lパッケージ (5人乗り) | 412万円 | 304~428万円 |
2.8 TX (5人乗り) | 422万円 | 269~517万円 |
2.7 TX Lパッケージ (7人乗り) | 428万円 | 199~581万円 |
2.8 TX (7人乗り) | 438万円 | 369~504万円 |
2.8 TX Lパッケージ (5人乗り) | 475万円 | 408~429万円 |
2.8 TX Lパッケージ (7人乗り) | 491万円 | 298~598万円 |
2.8 TZ-G | 546万円 | 328~663万円 |
ランクルプラドは、車好きなら一度はオーナーになりたい憧れの車ですよね。
上記で個人的に感じたネガも少々ご紹介しましたが、それはあくまでもわたしの主観です。
感じ方は人それぞれ違いますから、まずは最寄りのディーラーで実車に試乗して確かめていただくといいかもしれませんね。
もし今乗っている車を売って買い替える予定!という方にはディーラーに行く前にやっておけるオススメの事前準備があります。
それは、自分の愛車がいくらで売れるのかを調べてからディーラーに行くことです。
面倒だからディーラー下取りで良い!というのももちろんありです。
ただ、車種によっては30万円以上差が出てくる可能性があるので、相場額だけでも調べておくといいかもしれませんね。
事前に相場額を調べる方法は車の一括査定サイトがおすすめです。
愛車が高く売れれば、そのぶん欲しい車を買いやすくなりますし、贅沢なオプションを付けることもできますからね。
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