日本市場において一番売れているアメ車といえばJeepです。
そのJeepのフラッグシップSUVである「グランドチェロキー」は、そのアーバンないで立ちと、本格的なオフロード性能が認められ、1993年のデビュー以来、世界中で数々の賞を受賞する、大人気SUVとなっています。
今回は、そんなグランドチェロキーに試乗してきましたので、詳細をレポートしていきたいと思います。

グランドチェロキーとは

2017年のマイナーチェンジで、フェイスリフトと安全支援系の装備を充実させた4代目グランドチェロキーは、プレミアムSUVの元祖とも言われる、Jeepグランドワゴニアの系譜を引き継ぐ本格クロスオーバーSUVです。
グランドチェロキーは、独自の進化を遂げて現在に至っており、世に溢れているクロルオーバーSUVとは一線を画す、独特の仕上がりになっています。
そのいで立ちは、ラングラーとは違い、アーバンな装いをしており、オンロードでは非常に高級感溢れる走りを見せます。それでいてJeep伝統の4WDシステムによる高い悪路走破性能も実現しており、本格派の二刀流SUVとして、多くのユーザーの支持を得ています。
ボディーサイズは全長4,880mm×全幅1,945mm×全高1,805mmと、かなり大柄なボディーをしておりますが、3列目の仕様はありません。個人的には3列目のオプションを設定すれば、子供の多いファミリーユースにもリーチできて、購入層の拡大に繋がるのではと思いますが、それは我が家の家族構成からくる個人的な願望ですね……。
確かにグランドチェロキーのキャラクターには3列目はそぐわないのかもしれません。
ラゲッジスペースの容量は、ゆとりの782L。後部座席を倒した場合は1554Lと、じゅうぶんすぎる広さを備えています。アウトドア好きには最高ですよね。大人2人であれば快適な車中泊も可能ですし、お父さんが運転席で寝れば、お母さんと子供2人ぐらいは体を伸ばしてぐっすり眠れるでしょう。
SUVとしてのユーティリティー性能は満足のいく結果でしたが、はたして走行性能はどうでしょうか。
試乗

グランドチェロキーは下から、
Laredo(ラレード)、Limited(リミテッド)、Summit(サミット)、SRT8と4つのグレードがあります。
今回はラグジュアリーグレードであるSummit(サミット)に試乗させていただきました。

まず、エクステリアですが、2017年のフェイスリフトでフロントマスクが一新しており、もともといかつい顔をしておりましたが、更に押し出し感の強い、存在感のあるルックスになりました。日本では、軽自動車からプレミアムミニバンまで、幅広い車種でいかつい顔がトレンドとなっていますから、日本市場にマッチしています。

全高が1,805mmと非常に高く、全体的にかなり大柄ですから、その時点で購入者の層はある程度絞られる感じがします。
運転席に乗り込むとき、天井が思いのほか低く、頭をぶつけてしまいました。これだけ全高が高い車なので、安心していつもの感覚で乗り込んでしまいましたが、意外にも座面から天井までのクリアランスが狭く、くぐる感じで乗り込む必要があります。身長170cmのわたしがそんな感じですから、180cmくらいの身長の人が乗り込むと、結構窮屈に感じるかもしれません。

シートの座り心地は、程よく柔らかく良好。予想どおりアイポイントがかなり高く、運転しやすそうなところも個人的に好感が持てます。10年以上も前になりますが、トラックドライバーをしていた頃のことを思い出しニンマリ。
営業さんの説明では、「車体の大きさの割に運転しやすいと好評ですよ」とのことでしたが、納得のフィーリングです。うちの嫁も、まったく怯むことなく嬉々としてハンドルを握っていました。
インテリアデザインは、NETで下調べした感想では少しチープかなと思っていましたが、思っていた以上に質感が高く、驚きました。さすがラグジュアリーグレードのSummit。
発進するとき、最近はあたりまえになっている電動パーキングブレーキのスイッチを探しますが見当たりません。まさかと思い営業さんに聞いてみると、パーキングブレーキはフット式とのことで、衝撃。ちょっと時代遅れかもしれませんね。最近乗った車では、トヨタのミニバンのヴォクシーがそのタイプで、やはり時代遅れ感に驚きました。
また、グランドチェロキーは車両の特性上運転席の左足を置くスペースが狭いのですが、そこへフット式のパーキングブレーキがあるものですから、運転中常にパーキングブレーキが左足の脛に接触するような格好になり、ちょっと気になりました。
そういう細かいネガが入口で散見されましたが、走り出すと一瞬でそれらのネガが吹き飛びます。4WDシステムの賜物なのか、はたまたパワートレインと8速ATの相性なのか、その両方の恩恵なのか、2,200kgを超える巨体が滑るように、また這うように進んでいきます。低速域のトルクも申し分なく、パワフルに加速していくため、重さをまったく感じません。
乗り心地に関しては、ストローク豊かなエアサスが、高級感溢れる乗り味を作り上げています。アメ車特有のいわゆる船みたいな、柔らかい乗り心地と、ドイツ車のスポーティーな硬めの乗り心地のちょうど中間のような感覚で、味わったことのないような上質なフィーリングを提供してくれます。また、極めて高い静粛性能も特筆ポイントで、エンジン音や風切り音はほとんど耳に届きません。
その、いかつい大柄なボディーの印象から、もう少し大味な乗り心地をイメージしていたので、いい意味で裏切られ、一瞬でグランドチェロキーの虜になってしまいました。
逆に、気になったポイントは、ステアリングフィールがけっこうルーズだった点と、ブレーキのききもルーズなので、下り坂で停止するときに、イメージより制動距離が出てしまい少し焦る場面があった点でしょうか。まあ、その辺は慣れの問題ですから、ドライビングの側から修正可能なポイントなので、あまり気にしないで良いかもしれません。
最後に、営業さんのはからい?で、あえて狭い路地の住宅街を走ってみましたが、大柄なボディーの割には、スイスイと走ることができました。フロントもリアもオーバーハングの少ないボディー形状をしているところが、走りやすさに影響を与えているのかもしれませんね。
「グランドチェロキー」をお得に買うために
【グランドチェロキー】価格表 グレード | 新車価格 |
---|---|
Laredo(ラレード) | 499万円 |
Limited(リミテッド) | 610万円 |
Summit(サミット) | 675万円 |
SRT8 | 810万円 |
いかがだったでしょうか。グランドチェロキーは、見た目も最高にカッコイイですし、乗り心地も申し分ありません。ただ、上で説明したとおり、少しネガポイントもありますので、実際にディーラーで試乗してみることをおすすめします。
試乗に行く前に1つご注意。
ディーラーに行く前に、可能な限りしておくべき準備があります。
「自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておくこと」なのですが、それをするのとしないのとでは、車の購入時に30万円以上差が出てくる可能性があるのです。
愛車の価格を把握しないでディーラーに行くと、ディーラーの下取りで愛車を安く買い叩かれてしまい、大損をしてしまう可能性が高いのです。
そうならないように、ディーラーに行く前には必ず自分の愛車がいくらで売れるのかを調べておきましょう。
愛車がいくらで売れるのかを調べるには、車の一括査定サイトをおすすめします。ネット上で簡単な登録をするだけで、複数の買取り店の中から1番高く買い取ってくれる店を選べる便利なサービスだからです。
愛車が高く売れれば、そのぶんグランドチェロキーを買いやすくなりますし、いろいろなオプションを付けることもできますからね。
コメント